涅飯

enchant.jsでゲームを作る

ぼくの考えた最高のゲーム

高校の頃に、実家にあった古い98NOTEで、初めてプログラムを作った。言語はN88-BASIC。高校の同級生の「師匠」から、変数の概念と、キャラクターを表示して動かすアルゴリズムを教わった。
それまで生きてきて、最高にエキサイティングな時間だった。

いちばん最初に作ったのは、「仏ゾーン」という漫画の名台詞をランダムに画面に表示するプログラムだった。何だか、かっこよさげ、というだけのものだったが、リファレンスを調べて、コードを書いて、動かなくて、また書き直して、動いたけど何か感じが違って、書き直して、うまく動いたら、別のところを書いて……みたいなことを繰り返している内に深夜を過ぎていた。ぜんぜん眠くならなかった。

湧き出してくる衝動は日常を彩る。ゲーム大好きっ子だった僕は、「自分の考える最高のゲーム」を作ろうと燃えて、高校物理程度の衝突と加速を使ったプログラムだったり、サイキックフォースっぽいゲームっぽいのを作ったり、女神転生と魔界闘士サガを混ぜて「逃げる」の代わりに「土下座」を使うRPGを作ったところあたりで、燃え尽きた。結局、まともなゲームは作れずに、ベーマガマイコンBASICマガジン)にも投稿することもなかった……。

それから情熱は冷めていき、何度か言語を変えて作ろうと思い立つも、長続きしない。そして、「ぼくの考えた最高のゲーム」は僕が思いつくよりも面白いゲームがどんどん出てくる時代に入って、完全に消えてしまった。

そして現代。enchant.jsというHTML5 + JavaScript ベースのゲームエンジンの存在を知った。

http://enchantjs.com/ja/?s=ja

こいつはすごかった。
いちばん良いのが、敷居がとても低いこと。ゲーム作りの基本部分が実装されているので、ゲーム作りの基本的な知識がなくてもゲームを作れる。実行環境もブラウザでお手軽。さらに付属の「動く」サンプルプログラムもついてくる。
そして公開も簡単だ。同社が運営する投稿サイト(http://9leap.net/)があり、jsdo.it(http://jsdo.it/)というサイトで簡単に公開することもできる。

ということで、もういちど何か作ってみようかなと思いたったのだった。目標は縮小して。「ぼくの考えた最高のゲーム」はつくらない。目標は「なんとなく日々プログラミングする」だ。